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標語で啓発“ネットのルールとマナー”  

2017年 7月 3日  <9面>

「情報通信の安心安全な利用のための標語」表彰式

 「平成29年度 情報通信の安心安全な利用のための標語」(主催=情報通信における安心安全推進協議会、後援=総務省、文部科学省)の受賞作が決定し、6月5日に表彰式が開催された。10回目の開催となる今年度は、過去最多の2万1963点の作品が寄せられた。情報モラル指導のまとめなどで標語づくりに取り組み、毎年応募する学校も着実に増えている。表彰式の模様と、受賞者の喜びの声を紹介する。

全国から過去最多の応募作
授業に取り入れ毎年参加の学校も

ネットの使い方考える契機に
 「情報通信の安心安全な利用のための標語」は、標語づくりを通じて、ネットを安心安全に利用するためのルールやマナー、情報セキュリティの大切さを考えてもらうことを目的に毎年実施されている。10回目となる今年度の募集には、個人部門に2万1875点、学校部門に88点の応募があった。
 選考委員による審査の結果、個人部門の総務大臣賞は「しのぶれど 世に出でにけり 我が書き込み」(宮田明さん・長野県)、学校部門同賞は「SNSでも ポジティブ言葉で わたしから」(宮崎県・都城聖ドミニコ学園高等学校)が受賞した。表彰式ではこの他、協議会長賞3点、PTA関連賞4点、佳作6点、学校部門応募作を地域ごとに表彰する総務省総合通信局長賞11点が発表された。
 表彰に先立ち事務局を代表してあいさつした一般財団法人マルチメディア振興センターの坪内和人理事長は、「スマホの普及によりネットの使い方は急速に変化している。安心安全に使うためには、ネット利用のリテラシーとモラルの両面を身につけることが大切」と強調した。
 同センターでも情報モラル育成のため、本標語募集の他、全国の学校に講師を派遣する「e―ネットキャラバン」などを実施。保護者・教職員向けコースや、小学校3・4年生のための講座を新設するなど啓発対象を広げている。
 本標語募集については、「標語づくりを通じて、リテラシーやモラルを自分の頭で考えてみることに大きな意義がある。今後も息の長い啓発活動を積み重ねていきたい」と述べた。

継続的な活動で社会の意識啓発
 来賓として祝辞を述べた、あかま二郎総務副大臣。「ネット利用のリテラシーとモラルは、私たちみんなが考えなければならないこと。ネットは私たちの生活を便利にしてくれるが、便利さだけを求めてもいけない」と指摘。
 「本標語募集は今年で10回目を迎える。今後も継続することで、ネットの安心安全な利用をみんなが意識する社会をつくっていきましょう」と受賞者らに呼びかけた。
 中村伊知哉・慶應義塾大学大学院教授は、「青少年のネット利用によるトラブルを防ぐためには、関係者の理解力向上と、リテラシーやモラルの普及啓発が大切だと感じている。本標語活動のように、多くの人に考えるきっかけを提供することは重要。今後も一層の活動の充実を期待したい」と話した。
 また、情報通信における安心安全推進協議会の三浦惺会長は、「私たちの協議会はもちろん、ネットサービスを提供する事業者もさまざまな啓発活動を行っている。もっとも大切なのは、利用者一人一人がモラルやマナーを身につけ、安心安全な利用を心がけていくこと。本標語募集も含めて、これからも各種啓発活動へのご理解とご支援をお願いしたい」と主催者を代表してあいさつした。

実践の励みになる学校部門の受賞
 続いての表彰では、総務大臣賞、協議会長賞、PTA関連賞の受賞者にそれぞれ賞状と副賞が授与された。
 個人部門の総務大臣賞を受賞した宮田明さんは、長野県の中学校で技術・家庭科を指導する教員。情報モラルに関する指導に合わせて標語づくりを行っており、学校としても毎年応募している。
 今年は生徒と一緒に自分も参加してみようと思い立ち、百人一首に収録されている平兼盛の歌(しのぶれど 色にいでにけり わが恋は 物や思ふと 人のとふまで)をヒントに作品をつくった。
 「他人に知られるはずはないと思っていたことが知られてしまう状況は、ネット社会に通じるものがあると感じた」という宮田さん。生徒たちへの受賞報告はこれからで、「教室にポスターを貼ってアピールしたい」とうれしそうに話していた。
学校部門の総務大臣賞を受賞した都城聖ドミニコ学園高等学校では、以前からこころの教育や情報モラル教育に力を入れてきた。
 「情報モラル教育では、ネット利用のトラブルにより、被害者にも加害者にもなるリスクがあることを伝えている他、スマホ依存など生徒にとって身近な問題も扱っている」と辻家賢一教頭。
 情報科での指導に加え、外部講師による特別講座なども定期的に実施。授業や講座で学んだことを自分の言葉で表現する活動として、3年前から標語づくりを取り入れ、代表作品を学校部門に、その他の生徒全員の作品を個人部門に応募している。
 今回の受賞作は、コンピュータ部の生徒たちの作品を組み合わせてつくったもの。生徒代表として表彰式に参加した中馬裕紀子さんは、「顔の見えない相手だからこそ、発する言葉に気をつけたい。意識的にポジティブな言葉を発信することが、トラブルを防ぐことにもつながると思う」と作品に込めたメッセージを説明した。
 同校は昨年度も個人部門で受賞者を出している。辻家教頭は、今回の学校部門での受賞について、「本校の継続的な取り組みが賞という形で評価されたことがうれしい。今回の受賞を今後の実践の励みにしていきたい」と喜びを語った。
 なお今年度の受賞作品は、広報・啓発ポスターやしおりとして学校や企業などに配布される他、「e―ネットキャラバン」の講座内でも紹介される。また、平成30年度の標語募集は今年12月から開始される予定になっている。

総務大臣賞【個人部門】

 しのぶれど 世に出でにけり 我が書き込み
 宮田 明さん(長野県)

 中学校教員として情報モラル指導に携わっています。標語づくりは生徒たちが毎年取り組んでいて、今年は自分も一緒に応募してみることにしました。この作品は百人一首にある平兼盛の恋歌からヒントを得たもの。本人の意思とは関係なく、情報が一気に広がるネットの特性を表現しました。


【学校部門】

 SNSでも ポジティブ言葉で わたしから
 都城聖ドミニコ学園高等学校(宮崎県)

 情報モラル教育の一環として、標語づくりには全校で取り組んでいます。受賞作はコンピュータ部の生徒たちの作品を組み合わせたもので、互いの表情が見えないSNSだからこそ、発信する言葉に気をつけようという啓発意図を込めています。今回の受賞を励みに、今後も実践を続けていきたいと考えています。(辻家賢一教頭、生徒代表・中馬裕紀子さん)

協議会長賞

児童部門
 スマホ見て 歩いた先に 道あるの?
 齊藤 駿(栃木県・下野市立国分寺東小学校)

 この標語は冬休みの宿題として考えたものです。僕はスマホを使っていないので、世の中で問題になっていることを調べてテーマにしました。歩きスマホでの事故のニュースをよく聞きます。自分にも周りの人にも危ないので、この標語によって歩きスマホが減ってほしいと思います。

生徒部門
 気をつけて 誤解後悔 その公開
 志摩 彩美(富山県・富山県立砺波高等学校)

 情報科の宿題で作成した標語が、2万以上の作品から賞に選ばれたことに驚いています。ネットは誰でも簡単に利用できるため、後先を考えずに発信してしまうことがトラブルにつながっていると思います。この標語には、各自がよく考えて投稿すべきだというメッセージを込めました。

一般部門
 ネット(熱湯)漬け 安易な書き込み 大やけど
 磯江 智美(兵庫県)

 公募誌の読者で、このコンクールには毎年応募しています。私はSNSをあまり使いませんが、書き込みによるトラブルやネット依存の問題をニュースでよく目にします。ネットを「熱湯」に置き換えることで、自分が痛い目に合うことをわかりやすく伝えられる作品になりました。

PTA関連賞

日本PTA賞
 気づいてね 依存が分かるの 家族だよ
 廣田 琴美さん(長野県・松本市立二子小学校)

 アプリにも 心にもつける フィルタリング
 土井 未来さん(香川県・土庄町立土庄中学校)

全国高P連賞
 握る手は スマートフォンより 子どもの手
 村上 一江さん(岩手県・岩手県立盛岡農業高等学校)

全附連賞
 SNS 「いいね」の数は 君の価値?
 赤塚 伊織さん(東京都・芝浦工業大学附属中学校(応募時))

総合通信局長賞

総務省北海道総合通信局長賞
 考えた? 相手の気持ち そのメール
 鹿部町立鹿部小学校(北海道)

総務省東北総合通信局長賞
 インターネット ふり回されるな 時間と情報
 会津若松市立東山小学校(福島県)

総務省関東総合通信局長賞
 その写真 ネットに出したら 消せないよ
 野田市立二川中学校(千葉県)

総務省信越総合通信局長賞
 気をつけて ネット友達 裏の顔
 上越市立飯小学校(新潟県)

総務省北陸総合通信局長賞
 大丈夫? 一度載せると 消えないよ
 富山県立氷見高等学校(富山県)

総務省東海総合通信局長賞
 考えようつぶやくまえに相手の気持ち
 暁学園暁小学校(三重県)

総務省近畿総合通信局長賞
 大丈夫? 世界が見てるよ SNS
 神戸市立真野小学校(兵庫県)

総務省中国総合通信局長賞
 大丈夫? そのメッセージ 傷つかない?
 呉市立昭和中央小学校(広島県)

総務省四国総合通信局長賞
 いいね! だけじゃ伝わらないよ 人の気持ち
 愛媛県立野村高等学校(愛媛県)

総務省九州総合通信局長賞
 SNS 送信一瞬 拡散一生
 福岡市立東光中学校(福岡県)

総務省沖縄総合通信事務所長賞
 君の名は? きかれてもぜったいに 答えるな
 那覇市立石田中学校(沖縄県)

佳作

 スマホ持つ 一緒に自覚と 責任も
 吉澤 侑さん(大阪府・大阪市立東中学校)

 今スマホ? 優先順位 考えて
 市原 実乃里さん(熊本県・熊本県立第一高等学校)

 朝一番 見るのはスマホ? いや朝日
 柴田 麻衣さん(熊本県・熊本県立第一高等学校)

 家族より ネットを優先 さみしいな
 柴田 愛華さん(富山県・富山県立氷見高等学校(応募時))

 起動中 モラルとマナーも スイッチオン
 大山 浩明さん(茨城県)

 親の目と フィルタで二重に 見守ろう
 山野 大輔さん(大阪府)


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