SmartSection is developed by The SmartFactory (http://www.smartfactory.ca), a division of INBOX Solutions (http://inboxinternational.com)
トップニュースTopics書評 > フランスでは学力をどう評価してきたか

ニュース

フランスでは学力をどう評価してきたか  

2017年 11月 13日  <18面>

教養とコンピテンシーのあいだ
細尾 萌子 著
変遷と課題解説、日本に示唆

フランスでは学力をどう評価してきたか フランスの中等教育は、体系立った各教科の知識を一斉学習によって提供し、教養を伝達することで「生徒の精神・知性としてのエスプリ」が自然に育まれていくという伝統的な学力観を持ち、伝統的な学力評価は論述試験などを中心とするバカロレア試験が、その象徴だという。
 こうした学力・評価観が、米国やOECD、EUなどの学力評価論の影響を受け、どのように変わってきたかを、?部構成で解説していく。1920年代の試験の客観化を目指した動きから、1970〜80年代の「目標に基づいた教育学」、1980年以後のOECD、EUの影響から「コンピテンシー」に基づく学力・評価観への移行と相克が平易に語られる。コンピテンシーの個人評価簿の作成、活用や、生徒の主体性を引き出すための「パフォーマンス評価」の実践などは、普及していかない課題があるようだが、その考え方は日本でも参考になるのではないか。
 フランスのコンピテンシーの設定が明確なのに比べ、日本では「コンピテンシー」「キーコンピテンシー」が混同して受け止められている指摘などは考えさせられる。
 補章として置かれた「日本への示唆」だけでなく、フランスの学力・評価観の移り変わりは、コンピテンシー・ベースの教育へとかじを切っている日本の教育の在り方に引き付けながら、読み進めることもできよう。
(6480円 ミネルヴァ書房)
(吹)


記事を印刷する 記事をメールで送信