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大学入試改革授業案 教えるよりも、気付かせる  

2018年 4月 16日  <10面>

数学I・数学A
酒井 淳平 立命館宇治高校教諭

 プレテスト第2問(必答問題)の〔1〕は文化祭で販売するTシャツの価格を、1次関数や2次関数を活用して求める問題でした。問題に示されたデータから関数関係を見いだして問題解決する力が問われる内容でしたが、正答率は数学Iの中で最も低く、特に(2)(3)の正答率はそれぞれ6・8%、3・0%という結果でした。

苦手な数学的表現

 事象を数学化すること、日常生活における事象の特徴を捉えて数学的な表現を用いて表現すること。新テストでは、こうしたことが重視されています。
 しかし、生徒たちは、こちらの予想以上に数学的な表現が苦手です。
 例えば「値段を120円にすると600個売れ、1個につき1円値上げするごとに、1日の売り上げ個数は20個ずつ減る」という文章を「120円からx円値上げしたときの売り上げ個数は600―20x」と表現することも、予想以上にできません。プレテストの正答率の低さは、こうしたことからでしょう。数学が計算処理とパターン暗記だと思っている生徒ほど、数学を使うということが苦手です。

 こうした実態を踏まえ、「生徒が直面しそうな場面で今まで学習した数学の知識を使って問題解決する」ということをねらいとしてこの授業を計画しました。
 授業では問題に対して個人→グループの順に取り組みます。文字を使わずに、表にある値段の全てについて利益を計算し、その最大値を答えとする生徒もいるでしょう。その後、各グループの多様な解き方を黒板に書かせ、クラス全体で共有します。
 表にある値段しか考えていない答えに対しては、「128円など(表にはない数字)が答えになることは本当にない?」と聞くことも重要です。これは文字を使う意味が実感できるチャンスです。また、答えを吟味したり、答えの意味を理解したりすることは新テストでは重要なところです。
 その後、振り返りシートに記入します。グループで学んだときこそ個人の学びの把握が大切なので、シートを見れば、その生徒の理解度が分かるような振り返りシートを作成することも重要なポイントです。

既習の知識使って解く

 このような授業を実施する際に教員の姿勢として大事なのは「最も大切なところを生徒に気付かせる」ということです。
 数学の授業は「最も大切なところを教員が教えてしまう」ことになりがちですが、そうすると生徒は教えてもらったことを暗記して、問題を解こうとしてしまいます。数学がパターン暗記になる瞬間です。
 今回示した教材はあくまでも例であり、目の前の生徒実態に応じてアレンジすることが重要です。利益の範囲を指定すれば、2次不等式の活用問題にもなります。もう少し丁寧な誘導をして難易度を落とすこともできます。生徒が思考する姿がイメージできるようにアレンジしてください。
 今回紹介した問題は類題が教科書にあります。新テストでは教科書の少し先にある指導が必要になってきます。その際、問われるのは教員の教材研究力です。

授業の目標

授業で扱う問題


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【ワークシート】
酒井教諭