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勧められても「ノー」と言えるスキルを習得  

2018年 6月 4日  <16面>

小学校部門最優秀受賞
埼玉・川口市立差間小学校

ライフスキル育成の一環として
 昨年度創設された小学校の部門では、川口市立差間小学校(和久井功雄校長)が最優秀賞を受賞した。
 実践者は鈴木真由美養護教諭。自分の感情や行動をコントロールし他者とコミュニケーションする力をつける市独自の「ライフスキル教育」の一環として、6年生の総合的な学習の時間と保健において、担任とのチーム・ティーチングで取り組んだ。
 未成年者が飲酒してはいけない理由を知識と体験から学び、ロールプレイングで「お酒を勧められたときの断り方」を学ぶ実践的な内容が評価された。

パッチテスト後にロールプレイを導入
 まず人体がアルコールを分解する仕組みを座学で学び、コンクール事務局から取り寄せたアルコールパッチテストを児童全員が実施した。
 テストの結果、1クラスに10%、お酒が飲めない体質の児童がいることがわかった。この数字は「日本人でまったく飲めない体質の人は約10%」と学んだデータと一致するため、子どもたちの納得感が高まった。
 そのうえで周囲からお酒を勧められたときの断り方をグループで考え、ロールプレイングに挑戦した。
 前時までに、教員のアドバイスを受けながら断り方を5パターン以上考えていた子どもたち。本番では親戚役の教員がしつこく児童を飲酒させようとする。
 「お祝いだから少しぐらい」といった誘いの言葉に児童は「未成年だから飲めません」「法律を破りたくないから飲めません」など、理由を添えて毅然とした態度で断ることができた。

自己肯定感の向上が主体的な学びにつながる
 4年前の着任当初から児童の自己肯定感に課題を感じていた鈴木教諭。「やればできる」と自信を持たせて中学に送り出したいと考えていたという。
 「自分の体のことになると子どもたちは興味がわく。自分の体の主人公は自分だ、という感覚を持てれば自己肯定感は高まり、正しく判断する力の育成につながる」(鈴木養護教諭)
 学習のまとめとして児童は「20才になった自分へ」と題して決意作文を書いた。そこには「大人でもお酒の適量を知らないと体に害が出る。だから子どものときから自分の体質を知り判断力を持つことが大切だと思った」など、学んだことを自分の将来につなげる視点が見られた。

地域への広がりを期待して
 鈴木養護教諭は、6年生での未成年者飲酒防止教育の授業を続けて4年目になる。未成年者飲酒防止教育を受けた中学生・高校生が増えていくことで、興味本位の問題行動が減少することを期待している。
 和久井功雄校長は「本校の卒業生が中学校で保健委員として積極的に活動していると聞く。小学校から未成年者飲酒防止教育に継続的に取り組むことが判断力を備えた生徒の育成につながるはず」と話す。


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