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授業記録を読もう!書こう!

19面記事

書評

授業づくりネットワーク No.30
ネットワーク編集委員会 編
有効な記録手法や意義示す

 この忙しい学校現場にあって、授業記録を読もう、書こうなどと呼び掛けること自体に疑問を抱く教師が多いだろう。しかし授業記録を含めた教師の実践記録は、教育の本来の在り方を示唆する貴重な取り組みであることは時代を超えているはずである。
 本書で紹介されている「ストップモーション授業記録」をぜひ、現場の先生方に読んでいただきたい。評者はこの手法を取り入れて、授業報告をしたことがある。間違いなく授業観が深まっていく。
 ただ本書では、授業記録を書く人は、授業者とは別の「記録者」が望ましいとしている。果たしてそれが可能であるか。一人授業研究として、自分の授業を自分でメタ認知して、授業記録を残していくことも価値があるはずである。
 本書の最後に石川晋氏が「授業記録を読むということ」と題して書かれていた。見出しだけでも書き出すと、授業記録の価値が見えてくる。1実践記録は心に灯をともす▽2本物の授業記録を読むことで、実践はファシリテートされる▽3若い先生方は、「読書」に苦しんでいる▽4「みんなで読む」という読み方を広げたい―。特に3の指摘は深刻である。読むことと書くことが連動しない授業実践は底が浅くなるからである。
 本書は読み書きで、授業実践を高める一つの具体策を示している。
(1728円 学事出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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