次世代が「自分を生きる」ためのアートの実践 EGAKU
14面記事
井藤 元 監修 長谷部 貴美・石井 美沙子 編著
自己・他者理解深めるメソッド
アートによる学びのメソッド「EGAKU」の概要とともに、その推進母体となっている一般社団法人ELAB(イーラボ)が学校教育を対象に展開している事例紹介や、取り組んだ学校関係者との座談から活動することによる効果などが語られていく。
「EGAKU」は「鑑賞」と「創作」を繰り返すプログラム。「色ワーク」(色のイメージから対話する)や「アート作品の鑑賞ワーク」(自分の感じたことを表現・他者との違いを楽しむ)、「創作ワーク」(色紙を選び、パステルで創作)、自分や他者の作品の「鑑賞ワーク」などを経て「振り返りワーク」へと至る九つのステップで進めていくという。
本書では公立小学校や私立高校、学校教育の基盤づくり、教員養成などとの関わりの中での「EGAKU」の実践に焦点が当てられていく(第3~6章)。
例えば、公立小学校での実践者は「自己理解と他者理解とのバランスがすごく良い題材」と評価し、図工の時間だけでなく「より『他者』に注目して読み取っていく」点を重視して、道徳の時間へとつなげる実践に結び付けた。教員研修として「EGAKU」を取り入れる学校では本音ベースの語り合いが同僚性を生んでいる。
題材はアートだが、自分の内面をのぞき、他者の思いに寄り添う学びのメソッドは学級経営や児童らの関係づくりに親和性がある。
(2530円 ナカニシヤ出版)
(吹)
