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「『通常学級で学べる子は学びの場の変更を』次期指導要領解説で提示へ」背景は?後編

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教職員数算定の基準は「学級」

 通知の背景には、学びの場と教育課程、教員配置の結びつきもある。「継続的に組織される児童・生徒の単位集団」である学級は、子どもたちの学習や生活の場という面だけではなく、学校に配置される教員数算定の基準にもなっており、教育行政の重要な単位となっている。
 特別支援学級では児童・生徒8人、通常学級では本年度時点は小1~中1で35人・中2以上で40人を1学級として編制。35人または40人に1人の教員が配置される仕組みだ。平成29年度からは通級指導を受ける児童・生徒13人に1人の教員配置が基礎定数化された。
 それぞれの学びの場の児童・生徒数に応じた学級編制がされた上で教員を配置するのが原則だ。

小学校でも「40人以上学級」に

 交流及び共同学習として特別支援学級の児童・生徒が通常学級(交流級)の授業を受けるときには、35人(40人)にプラスで特別支援学級の児童・生徒が入ることになる。通常学級と特別支援学級の人数は別でカウントされるため、授業時には本来の学級編制の基準を上回り、小学校であっても40人以上になる場合があるという。
 令和3年には小学校の、今年3月には中学校の学級編制基準引き下げのために義務標準法が改正されたが、どちらも「きめ細かな指導のための体制整備」が目的にある。
 となると、特別支援学級の児童・生徒が大半の時間を通常学級で学び、通常学級の大半の授業で35人(40人)を超えてしまっている状態は、特別支援学級と通常学級の児童・生徒双方への指導体制として適切か、という議論もでてくる。
 このことは令和4年4月15日の衆議院文部科学委員会で指摘があった。障害にあった学びの場の提供の推進のために、就学に関する手続きについての周知徹底を求められた末松信介文科相(当時)は、適切な場での適切な指導の提供のために、指導と助言をしていく考えを示している。
 一部の自治体では、通常学級の授業を受ける特別支援学級の児童・生徒を特別支援学級担任らが教室内で支援している。この取り組みは昭和から行われてきた実績もある。
 実践自体は否定されるものではないが、国の考えとは異なる部分がある。あくまで特別支援学級の児童・生徒は

 ・「特別の教育課程」「少人数」で指導する特別支援学級で指導する
 ・それぞれの学び場ごとに編制される学級に合わせて、指導する教員を配置する

 ―というのが国の考えだ。

実現難しい「特別支援教室構想」

 児童・生徒が通常学級、特別支援学級どちらに在籍するかで教員の配置数などが変わってしまうため、現行制度上、障害がある児童・生徒はどちらかを選択することになる。
 以前には、通常学級に籍を置きつつ、必要な時間に特別の指導を受ける「特別支援教室構想」が検討されたことがある。

 (1)ほとんどの時間を特別支援教室で特別の指導を受ける形態
 (2)比較的多くの時間を通常の学級で指導を受けつつ、障害の状態に応じ、相当程度の時間を特別支援教室で特別の指導を受ける形態
 (3)一部の時間のみ特別支援教室で特別の指導を受ける形態

 ―の3パターンを想定している。
 平成17年の中央教育審議会答申で示され、モデル事業での取り組みや研究開発学校での実践も行われたが、全国的な導入には至っていない。
 文科省の資料によると、教員が通常の学級での授業づくりや集団づくりの重要性に気付けたこと、不登校やいじめなどにも有効というメリットがあったという。
 ただ、これまでの国の有識者会議などでは、指導を担う教員の専門性を担保し、配置できるのか、校内の体制はどうしていくか、教育課程編成の責任主体などの課題も指摘されていた。
 特に教職員配置については、大きな課題だ。特別支援教室構想を実現させるのであれば、現在の学級数に応じた教職員配置という義務標準法の在り方から見直すことが求められる。それは教職員の人事予算(義務教育費国庫負担金)の算定にも大きく影響する。
 通級指導の担当教員の加配が始まったのは、平成5年度。それから基礎定数化されるのには20年以上かかったことも考慮することも必要になるだろう。

多様性の包摂、次期改訂で議論

 今後の特別支援教育では、いかに通常学級の包摂性を高めていくかが喫緊の課題だ。次期学習指導要領改訂に向けては昨年9月の論点整理で「多様性の包摂」が大きな柱の一つに掲げられた。
 特別支援教育について具体的に議論している特別支援教育ワーキンググループでは、通常学級における基礎的環境整備を基盤とした重層的な指導・支援についてなどを検討。その議論の中心は通常学級だ。
 中教審では冬頃の答申に向けて議論が進んでいる。特別支援教育に関しても、とりまとめに向けてより活発な議論に期待したい。

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