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カリキュラム・オーナーシップ 教育課程改革の設計図

12面記事

書評

石井 英真 著
求められる学校主導の取り組み

 「カリマネ」と称されるなどカリキュラム・マネジメントは用語だけは浸透したが、実際には「やりくりマネジメント」の域を抜け切れていない学校も少なくないだろう。本書の「カリキュラム・オーナーシップ」(造語)はその一歩先を目指すものである。
 授業とは、対象世界(材)を介した教師と子ども(自己)や子どもたち同士(他者)のコミュニケーションだという。「材」を介した三角形の構造で捉えるならば、教師も子どももともに材に挑む「共同注視」の横並び関係となり、伴走者である教師を「学び超え」、学校から社会に飛び出す「真正の学び」(「教科する授業」)をつくっていくことができるという。
 そのためにも学習指導要領の目標を「知の構造」をレンズ(教科内容の眼鏡)に分析し、中核的な重点目標を見極め、思考を深めたい「ヤマ場」と学習成果が試される「見せ場」を逆算的に設計する「末広がりの構造」へと単元を組み替えること等、教師のやれることは意外に多い。
 「○○的な学び」といった改革キーワードに振り回されず、用語の源流やカリキュラム設計の構造を本書で押さえた上で、各学校が目の前の子どもたち、保護者や地域住民とともに、主体的にカリキュラムのオーナーとして取り組んでいくことが求められる。ただ、そもそもわれわれ自身が人生や学びのオーナーシップを発揮できているのかも問われている。
(2530円 教育開発研究所)
(元兼 正浩・九州大学大学院教授)

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