日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

国語科における中核的な概念とは何か その研究的考察

18面記事

書評

藤森 裕治 編著
言葉の学び巡る本質論・実践論

 次期学習指導要領の改訂に向けた論点の一つとして「中核的な概念」が示された。後に「高次の資質・能力」の呼称に変更されたが、この概念によって学習指導要領の目標・内容の構造化を図る検討が進められる。本書は「国語科教育における中核的な概念とは何か」という問いに基づき、これに係る本質論・実践論を掲載。言葉を対象として学ぶ基幹教科としての国語科教育が果たすべき本質的な使命について第1章では国語科の輪郭を問い直し、第2章では言葉の学びを支える中核的な概念を探っていく。高次の資質・能力をいかに育てるのか、真摯に子どもの学びと向き合い取り組まれた貴重な論稿で構成され読み応えある内容だ。
 第1章は本質論として6人の研究者がそれぞれの研究分野から考察を重ねた提言。「述語的統合」「読者反応理論」や社会言語学、現象学的視点からの問い直しというように内容が深く、理解するのに時間を要した。しかし、本章を読み深めた上で第2章の12人の優れた実践論へ進むと、「中核的な概念とは何か」というテーマに対する考えが深まる。
 また奈須正裕氏、秋田喜代美氏と藤森裕治氏の鼎談内容は、より一層本テーマへの興味・関心が高まる。「知識を所有しても有能になるとは限らない」「学ぶ意義を子どもに明らかに」「教科の相対化」など多くの言葉が響いてくる。何度も読み返したくなる一冊である。
(2310円 東洋館出版社)
(藤本鈴香・大谷大学教職アドバイザー)

書評

連載