どう変わる 高校学習指導要領【国語】
10面記事
標準的な科目設け 脱「読解偏重」
次期学習指導要領に向けた議論で、文科省から高校国語科の科目構成の見直しが示されている。必履修科目と選択科目を再整理し、生徒が多様な題材に触れられるようにする。大学入試と関係の深い科目に履修が集中し、学習内容が読解中心となっている現状を改める。またAIが身近になったことで、自分の考えを書いたり、発表したりする活動への関心が高まっていることもある。
現行では、主に1年次に必履修科目の「現代の国語」と「言語文化」を学び、2年次以降に発展的な内容を扱う「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」から選択する。ただ、科目間で履修率に差があり、文科省の推計によると「論理国語」は77%、「古典探究」は87%に上る一方、「文学国語」は49%、「国語表現」は16%にとどまる。
入試で出題されることの多い評論文や古典を読解する学習に比べ、近現代の文学作品を読んだり、自分の意見を発表したりする学習が重要視されていないことが分かる。
このため、次期指導要領では、1年次に必履修科目として「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」、2年次以降に標準的な選択科目として「現代の国語Ⅱ」と「言語文化Ⅱ」を置く履修イメージを示した。必履修科目の後に、すぐ発展科目へ進む現行の方式を改め、幅広い内容をじっくり学んだ上で、発展的な学習に進む構成とする。
各科目の内容について「現代の国語Ⅰ」は、実社会で必要な文章の読み書きや、コミュニケーションを中心に扱う。「言語文化Ⅰ」では、文学作品や古典を通して言葉や文化への理解を深める。
標準的な選択科目とする「現代の国語Ⅱ」は、現行の「論理国語」と「国語表現」を組み合わせた内容で、読解と表現を一体的に扱う。「言語文化Ⅱ」は、現在の「文学国語」と「古典探究」を基に、近現代の文学作品や古典作品を取り上げる。
発展科目と位置付けたのが「論説と批評」「対話と表現」「文学と叙述」「古典と文化」の4科目。現行の選択科目で扱ってきた内容を再整理した。標準的な選択科目と合わせ、再編後は六つの選択科目ができる。
「論説と批評」で文学作品を論じた文章を取り上げるなど、科目で扱う題材も一定の幅を持たせる。現行では、科目ごとに扱える題材が限られているとの指摘がある。
読解だけでなく表現も重視する今回の再編により、大学入学共通テストで問われる内容の変化に注目が集まる。

