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「教育支援センター(適応指導教室)」の社会学 教育行政にできる不登校支援とはいかなるものか

18面記事

書評

樋口 くみ子 著
福祉との融合組織づくり提案

 かつて不登校対策事業として出発した全国各地の適応指導教室(現在の教育支援センター)に誰が集い、どのように受け入れられていくのか(第二部)、そこではいかなる支援が提供されるのか(第三部)、教育行政の不登校支援の限界をいかに超えるのか(第四部)について、9年6カ月を費やした独自の「質的調査と量的調査を交互に繰り返し」収集したデータを基に、一つ一つの疑問を解き明かしていく労作である。
 適応指導教室の排除/包摂の構造とプロセスを分析するに当たって、欧米諸国で発展してきた第一線の職員を「ストリート・レベルの官僚制」とする理論を用いる点に特徴がある。
 独自の調査結果は示唆に富むが、複数の市レベルの取り組みを事例研究した論稿は、そこで働く正規/非正規のスタッフの悩み、課題、息遣いが聞こえ興味深い。
 「教育行政の不登校支援の限界」とあるように、現状で多い「教育の専門家が主導となって連携する」形ではなく「福祉の専門性をもつストリート・レベルの監督を筆頭」に、さまざまな職員を置いた組織の必要性を提案する。「あそび・非行」型の子どもも受け入れることができ、子どもの背景にある保護者の課題を解決しやすいためだ。
 福祉と教育が融合し、全体を包み込む推進システムの中でこそ、教育の専門家も生きるという提案はうなずけるのではないか。
(4950円 晃洋書房)
(矢)

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