自然に触れて循環を実感 ダンボールコンポスト実践で生まれる地域交流
12面記事
校舎入口外に並ぶダンボールコンポスト。虫よけカバーを閉めれば臭いも気にならない
八王子市立弐分方小学校 山下徹朗 主任教諭
―4年生が取り組むダンボールコンポストを用いた活動について教えてください。
山下 まずエコひろば(八王子市の環境保全活動団体の活動拠点)の方をお招きして、ダンボールコンポストの作り方や活用方法についての出前授業を行います。5月中旬から班ごとに活動開始です。1カ月間は毎日、給食室の食品残渣500g程度を計量してコンポストの基材に入れてかき混ぜ、生ごみの重さ、天気、土の温度、気づいたことを記録。エコひろばの方との振り返り授業後、6月中旬からは週一回500mlくらい水を入れ熟成させます。でき上がった堆肥は秋口に学校の菜園に入れ、大根や白菜などの冬野菜を育てます。できた野菜は家に持ち帰ったり、おでんにしたりと年によっていろいろですが、立派な作物ができたときの子どもたちの顔はとてもうれしそうです。

取材時(5月末)のダンボールコンポストの様子。温度計が挿し込まれている
―教科間のつながりは意識されていますか?
山下 3、4年の総合的な学習の時間のテーマの一つが「環境」ですが、4年社会科のごみについての学習では最終処分場の見学もあり、ダンボールコンポストの取り組みとのつながりも自然です。
3年社会科の町調べでは地元の農家さんを訪ねます。地元の野菜が給食にも使われていることを知ると、給食の時間に「これ○○さんちのじゃない?」など会話が生まれ、食べ残しも少なくなって食育にもつながります。そうした経験がダンボールコンポストの取り組みにも生きていると思いますし、地域の皆さんとの交流で得ることも大きいと感じます。
毎年の学習のテーマがある程度決まっていると、私たち教師も前年の経験を生かせるし、その年の子どもに合わせて内容を少し変えることもできます。今後も子どもたちが楽しみながら活動できるように取り組んでいきたいです。
環境学習は地域との連携があってこそ
八王子市立弐分方小学校 清水隆司 校長

弐分方小学校の取り組みは2017年、第5回グッドライフアワード環境大臣賞(学校部門)を受賞
「持続可能な社会を皆で築いていこうとするとき、少しの手立てや一人一人のやさしい気持ちが大事。それが大きな変化につながっていくんだよ」という思いを、いつも子どもたちに伝えています。3、4年生で取り組む繭玉や堆肥作りは時間のかかる取り組みですが、コツコツやってきたことが形となる素晴らしい環境学習だと思っています。
本校は、体験型環境学習施設「高尾の森自然学校」が桑畑を復活させようと進めている「くわのはプロジェクト」にも全学年で参加しています。学校裏手の大沢川での「川の学習」もダンボールコンポストも蚕の飼育も、環境を大切にしている地域の方のご協力や、地域の代表である学校運営協議会のコーディネートがあってこその取り組みです。今後は手作り堆肥で育てた野菜を地域の人が受け取れる場を作るなどして、キャリア教育にもつなげられたらと構想しています。
本記事で紹介したダンボールコンポストのつくり方は、八王子市のホームページで動画とともに公開中
ダンボールコンポストの普及(八王子市公式ホームページ)
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/gomi/001/torikumi/genryo/p002402.html

