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どう変わる 高校学習指導要領【理科】

10面記事

教科・指導

社会で必要な科学的素養、全生徒に

 次期学習指導要領で高校理科は、全ての生徒に社会で必要な科学的素養を身に付けさせることを重視する。各基礎科目に理科と社会とのつながりなどを扱う「科学ガイダンス」を位置付ける。分野横断などの形で学ぶ「科学と人間生活」は、同科目だけで必履修の要件を満たせる選択肢を設ける。
 科学ガイダンスは中学校と高校で新設する。高校では各基礎科目に位置付け、初めて履修する基礎科目の冒頭で一定程度まとめて扱う。科学とは何か、理科の全体像、研究倫理、検証の方法、理科の学習内容と社会との関係などを学ぶという。
 日本の高校生は国際調査で高い科学的リテラシーを示す一方、理科への興味・関心や有用感は必ずしも高くない。大学入学者のうち理工系は19%にとどまる。「科学ガイダンス」は個別分野の学習に入る前に、理科を学ぶ意義や科学に共通する考え方を捉えさせる狙いがある。
 中央教育審議会のワーキンググループの取りまとめ案では、「科学ガイダンス」で扱う内容の例も示している。似非科学やフェイクニュースを客観性や再現可能性の点から考える。研究倫理では、捏造、改ざん、盗用がなぜ許されないのかを学び、検証方法として観察、実験、シミュレーション、調査の違いを扱う。
 理科の学習内容と社会との関係では、生物基礎でiPS細胞、地学基礎で緊急地震速報を例に挙げた。遺伝情報などの学習が再生医療や創薬研究に関係することや、地震の発生の仕組みが緊急地震速報に生かされていることを学ぶ。
 選択必履修科目の「科学と人間生活」は、中学校との接続を意識し、物理、化学、生物、地学の4分野を扱う内容に改める。高校で4分野全てを履修せずに就職・進学する生徒にも、社会で必要となる科学的な素養を身に付けさせる。
 現在の履修要件は

 (1)2単位の「科学と人間生活」と基礎科目1科目の組み合わせ
 (2)基礎科目3科目の履修だが、改訂後は4単位の「科学と人間生活」を新設し、単独で必履修の要件を満たせるようにする。

 理科全体では、「見方・考え方」も改める。現行は自然の事物・現象を科学的に捉えることを重視しているが、改訂案では対象を「自然や社会の事象・言説」とする。観察や実験の結果、科学的知見などに基づき、客観的、論理的、批判的に考察する力を育てる。生成AIの普及やデマ・フェイクニュースの拡散を踏まえ、社会に出回る情報を科学的に吟味する力にもつなげる。

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