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クロスロード 交差する視点 教員自ら探究、経験則深める

10面記事

教科・指導

和嶋 延寿 教職員支援機構理事長

 教員は毎日の教育活動の中で多くの経験を積み重ねている。課題に直面した際、周囲の協力を得ながら解決にたどり着くこともあれば、時として思うようにいかないこともあるだろう。だが、その一つ一つは教員としての学びとなって蓄積され、力量の向上につながっている。
 一方で、日々の経験から得られる学びだけでは、学びの高度専門職である教員にとって心もとない。実践の中で身に付けた経験則をさらに深化させていくことが肝要であり、そのための学びは必要であると考える。
 培ってきた経験則を深める方法として、探究的な学びはどうだろう。現在、教職員支援機構では「探究型研修」に取り組んでいる。自ら問いを立て、実践の振り返りや対話、知識の習得を重ねながら実践を展開する。その過程で自他の価値観を捉え直し、新たな問いや実践に向かう。こうした持続的な探究プロセスを通して、教職員の探究に向かう力を涵養しようとしている。
 子どもの学びと教員の学びを相似形として捉えるなら、高校の教員には見慣れた、らせん形で示される探究の姿は、教員自身の学びにも当てはまる。問いを立て、振り返り、次の実践へ向かう営みは、生徒だけのものではない。
 高校学習指導要領の総合的な探究の時間の目標には「自己の在り方生き方を考えながら」とある。教員の探究的な学びをより深いものにするためにも、自己の在り方に向き合うことは不可欠である。
 そこで手始めに、自らの実践に基づく経験則が、教員としての今の自分の意識にどう影響を与えているかを探ってみてはどうだろう。自分の経歴を振り返りながら、当時考えていたことや教訓となったことなどを、時系列で書き出してみてほしい。その内容を見つめ直すことで、自分が何を大切にして実践してきたのかが少しずつ見えてくる。そこから、新たな問題意識が問いとして生まれたり、今後身に付けたい力が見えてきたりするのではないか。さらに新たな学びに挑戦する意欲も生まれるはずである。
 教員としての幅を広げ、深みを増すために、まずは自らに向き合うことから取り組んでみてはどうだろう。

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