教師のための話し方の教科書
20面記事
熱海 康太 著
声の戦略的使い分け大事に
アニメ人気で「声優」という職業が注目されるようになった。声だけで演じ分けるプロの技には感心する。教師は児童・生徒や保護者など人と関わる仕事。コミュニケーションの多くは話し言葉だ。きちんと話したつもりなのに相手に伝わっていないこともある。教師の話は単なるコミュニケーションを超え、子どもの人生に深い影響力を持つ。たったひと言が自信を生み、逆に心を傷つけることもある。プロ教師として話し方を磨き、相手との信頼関係を深め、集中力と理解力が向上する授業をしたい。
著者は、話し方の黄金の5原則として、「結論ファースト」「具体と抽象のバランス」「メリット・デメリットの両面提示」「主観と客観の明確な使い分け」「相手の質問にまず答える」を挙げる。
話の組み立てだけでなく、発する声も重要な要素。高い声、低い声、速い話し方、遅い話し方、大きな声、小さな声の六つを学齢や伝える内容などによって戦略的に使い分けることも大事だとする。
学校での勤務経験のある著者なので、やる気を引き出す声掛け、学級全体への指示の出し方、いじめ対応での話し方、保護者対応での話し方、職員会議や同僚との話し方、管理職とのコミュニケーションの取り方など、状況に応じた話し方の技と心構えを説いている。向上しようと考えている教師たちは一読を。
(2046円 明治図書出版)
(正)

