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意見のちがう相手と対立するのではなく対話をするためのレッスン

16面記事

書評

木下 理仁 著
一緒に答えを探すには

 教育現場では、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善が進む。対話は子ども同士や教員とのコミュニケーションを通じて、質の高い学びを実現するための重要な要素だ。もちろん、大人の世界でも対話を重ねることで相互理解を深め、より良く課題を解決することにつながる。とはいえ、意見が異なる相手と対話が成立し難い経験を持つ方は多いのではないだろうか。
 本書は題名通り、対立ではなく一緒に答えを探す共同作業としての対話を目指す。一人一人の意見が尊重され、考えを出し合い話の内容が深まるような共同作業だ。
 第1章「なぜ『対話』か?」では、対話の面白さ、難しさ、そしてなぜ大事なのかを論じる。特に「平和を守るためにも、ぼくらは『対話』を続けるしかない」の言葉が響いた。
 第2章では、対話のレッスンとしてリアルな七つの場面を用意。どのように対話を重ねると良い方向へ進むか自分ごととして考えていく。いわば誌上でのワークショップ。正解が示されるわけではなく「一緒に考えよう」という著者の姿勢が表れている。「もっと知るために、考えるために」として参考図書が掲載されているのも特徴的。第3章のインド、イタリア、著者(日本)の3人による「ことばと文化とコミュニケーション」の話し合いも興味深い。
 易しい文体に引き込まれ自然と一緒に考えている自分に気付く魅力的な一冊。
(1870円 旬報社)
(藤本鈴香・大谷大学教職アドバイザー)

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