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こどもを支える地域づくり入門 日本・アメリカの「つながり」の実践から

12面記事

書評

新谷 龍太朗 著
官民の多様な取り組み概観

 「こどもを育てることは、社会全体で支えること」が重要で、それが子どもを中心にして大人がつながるコミュニティづくりへの道と、本書は語る。
 第1章ではこども家庭庁の指針から、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」の視点を持って学ぶこと、第2章は「こども食堂」をテーマに、著者が活動している地域かいわいを中心にさまざまな実践を紹介し、その広がりと可能性について言及している。ボランティア活動は人の善意によって進められるものだが、その分、揺らぎも多い。とりわけ困難が積み重なれば、「本来行政がやるべき仕事が、私たちの善意に押しつけられているように感じる」こともあるかもしれないが、関わる人・利用する人・支えようとする人が課題を共有することが必要だと述べている。
 第3章では大きく話が変わって、アメリカの包括的な就学前支援制度である「ヘッドスタート」について説明し、第4章では前述の課題に対応して、困っている人や支援を必要としている人の所へ、情報や支援を届ける「アウトリーチ」というアプローチの実践を掲載している。最終章は、これまでの各章の問いから、「支援をつなぐ視点と課題」「制度と現場のギャップをどう埋めるか」「これからの探究課題と実践への招待」について提言している。
 保育を学ぶ学生や子どもに関わる地域の実践者のテキストである。
(2640円 ミネルヴァ書房)
(青木 一・教育コンサルタント)

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