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それでも息子を日本の小学校に通わせたい

12面記事

書評

山崎 エマ 著
欧米との違い、偏らぬ目で考察

 ドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』でも話題の著者は、父が英国人、母が日本人で、日本の公立小から中高はインターナショナルスクール、米国の大学に進んだ。自身が体験したそれぞれの教育、社会について、表面的な違いではなく、その「目的」まで含め、偏らない目で深く考察している。
 父親の毅然とした教育方針の下、著者は、日本と欧米の教育システムの「いいところ取り」をさせてもらったと感じている。日本の「いいところ」は、授業の中だけでなく「暮らしの中で学ぶ」ことを通して自分の役割や他者との関わり方を覚えていく、人間形成に深く関わる”勉強を超えた学び”だ。「人を育てる」とは本来そういうことで、優秀な教師の授業を全国に配信すれば他の教師は不要になるなどと言う人が全く分かっていない学校の機能だ。他方、「みんなと同じ」を求める息苦しさは、いじめや不登校ともつながっていよう。
 インターの「いいところ」は、自分の個性を見つけ、輝かせることを重視し、子どもの「好き」を教師も生徒同士も応援する雰囲気など。裏を返せば日本の弱点でもある。
 日本を褒めていて気分がいいから、ではなく、何を守り、何を変えるべきかを本気で考える手掛かりとして一読を勧めたい。そして、共感するのであれば、実際に「変える」勇気と行動力を持ちたい。誰もが子どもを通わせたいと思う学校にしよう。
(990円 新潮社(新潮新書))
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

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