高校教員のための概念型学習ガイド 教科と探究をつなぐ新たな学びへ
18面記事
藤岡 慎二・三浦 学・佐藤 浩章 著
学力、教員負担など課題克服へ
総合的な探究の時間の必修化によって「教育の新しいスタンダード」となった「探究学習」が「教科の学力との関係」「教員の負担」「カリキュラム・オーバーロード」などの課題が顕在化したことから転機を迎えており、その解決策として提案するのが「概念型学習・概念型探究学習」である。
「主に教師が問いや概念を提示」することで、一部探究学習を含みながら学ぶのが「概念型学習」であり、「概念型探究学習」では「生徒が問いを立て、概念を用いて学びをデザインする」ため「探究学習そのものが学びの中心」になる。
「概念型学習・概念型探究学習とは何か」を島根県立隠岐島前高校魅力化プロジェクトでの探究学習に関わった藤岡氏が、「概念型探究学習」の実践について宮城県の公立高校に勤務後、現在は私立校に勤める三浦氏が、「なぜ概念型学習なのか」でその系譜と現代的意義を研究者である佐藤氏が、それぞれの章を執筆した。
三浦氏の試行錯誤しながらの実践からは生徒の成長に後押しされる様子が伝わり、授業場面での具体的な声掛けなどを通して、授業者として「概念型探究学習」にどう向き合うか、具体的な姿が示され、参考になるのではないか。
成果を認めつつ社会課題解決型学習に偏りがちな探究学習の在り方に一石を投じ、また、カリキュラム・オーバーロードに対する問題提起の書としても興味深い。
(2970円 大修館書店)
(矢)
