教師の相談室【第98回】
16面記事割合つまずかぬよう進めたい
【お悩み】 小学校算数の「割合」でつまずく児童は多いため、以前5年生を担任した際は、まず「もとにする量」と「比べられる量」が何かを徹底して指導してから計算問題に進みました。しかし、二つの量の違いを理解できたように見えても、少し複雑な文章題になると正しく捉えられない児童が少なくありませんでした。本年度も5年生を担任しています。できるだけ多くの子どもがつまずかずに学べるようにするためには、どのようなことを心掛ければよいのでしょうか。
割合は多くの子がつまずく単元ですが、質問にもあるような「もとにする量」「比べられる量」を言葉で見分けさせることが、つまずきの一因になっているように思います。
「~の○○のときは」といった文型や「く・も・わ」の図は、その典型です。
キーワードで判別させると、場面が単純なうちは解けても、複雑になった途端に通用しません。手順としては「できる」けれど、二つの量の関係が「分かって」はいない。結局、見分けた言葉と問題が結び付いていないのです。
質問者が感じられた手応えのなさは、まさにここにあるのではないでしょうか。
つまずきを越える鍵は、やはり「1と見る」と「そろえる」という見方です。大きさの違う二つは、そのままでは比べられません。基準をそろえる必要があり、その基準としてもとにする量を1と見るのです。
これらは5年生で突然現れるものではなく、低学年からの「いくつ分」や「倍」の学習の中で積み重ねられてきた見方です。
ところが実際には、その積み重ねが十分でないことも少なくありません。だからこそ計算を急がず、二つの量の関係を数直線図(二重数直線)に表し、比べられる量が、もとにする量の何倍に当たるかを、目に見える形で捉えさせましょう。
そして、3年生から数直線図を描けるように指導していきましょう。言葉だけの判別が苦手な子も理解しやすく、より多くの子が同じ土俵で考え始められます。
まず場面を図に表し、その図を見ながら立式する。この順序を徹底すると、複雑な文章題でも子ども自身が関係を読み取れるようになっていきます。
(樋口万太郎・中部大学准教授)

