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なぜ、いま小学校で外国語を学ぶのか

20面記事

書評

直山 木綿子 監修
浅原 孝子 取材・構成
教科化への不安感払拭へ

 “グローバル人材”を育てることが、日本の課題。グローバル人材とは、日本人としてのアイデンティティーや日本の文化に対する深い理解を前提に、次の三つを身に付けさまざまな分野で活躍できる人。(1)豊かな語学力・コミュニケーション能力(2)主体性・積極性(3)異文化理解の精神。特に、子どもの「学びに向かう力」「人間性」等の“意欲面”を大切にしたい。外国語によるコミュニケーション能力を向上させるため、小学校中学年に外国語活動、高学年に外国語科が導入される。教師は、不安感を抱かないようにしたい。そのためにも本書の利用は大である。
 本書は、序章の監修者(文科省教科調査官)の「英語好きのルーツはここにあった」でスタート。大学の英文科で言語学専攻、中学校英語科教師、教育センターで外国語活動のカリキュラムや教材の作成と、読者を外国語の世界に導入。外国語教育についての対談もある。
 そして、第1章が「なぜ、いま英語を学ぶのか」で、外国語活動や外国語科の必要性を語る。そして、英語が小学校で教科になる意味は第2章。さらに、中・高校の英語授業、大学受験の検討が第3章。「Let’s Try!」「We Can!」と、新教材を取り上げるのは第2~4章。外国語指導のイメージを持つことが必要。カリキュラム・マネジメントの力を(日本の)教師も身に付けることを忘れてなるまい。
(1620円 小学館)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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