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退屈な授業をぶっ飛ばせ!学びに熱中する教室

16面記事

書評

マーサ・ラッシュ 著
長崎 政浩・吉田 新一郎 訳
改革の手だて、理論的に解説

 まずは書名を見て興味が湧いた。なんと挑発的で過激なタイトル。どうやって「ぶっ飛ばす」というのだろう。著者は米国ミネソタ州の高校で20年間、教師として勤務。その前は、新聞記者という異色な経歴を持つ。教室の生徒を記者の目を通して見るとリアルな課題が浮かび上がる。これはミネソタ州に限ったことでも、また高校だけの課題でもない。授業改善、教育改革は世界の学校現場に求められていることなのだ。
 授業中に生徒から「それってテストに出るの?」と言われ、がっかりした経験を著者は持つ。このような経験は著者だけではないはず。授業が生徒にとって魅力的で楽しい時間にと、教師なら誰もが願っているのだが現実は厳しい。著者は教え方が生徒の学びに大きなインパクトを与えることを身をもって痛感し、「なぜ、生徒は授業に退屈するのか」「生徒が夢中で取り組むようになるために、どこから何を始めるのか」を理論的に解説する。アクティブ・ラーニングの考え方が退屈という問題をいかに解決するのかが本書の趣旨。
 「学校が物事を学ぶ場所として独占的な地位を失った」というある研究者の言葉も印象的。教育現場だけでは解決できない問題。でも、生徒が退屈さを感じながら授業をやり過ごすようでは、われわれの負けではないか。学びに熱中する授業を創造する上で多くの示唆を与えてくれる好著。
(2750円 新評論)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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