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ヤマ場をおさえる学習評価 小学校

14面記事

書評

石井 英真・鈴木 秀幸 編著
「指導と評価の一体化」入門書

 授業づくりなどで使われる「ヤマ場」という言葉。それを軸に置き、本書では目指すべき評価の在り方を提起している。深い学びを促す「指導と評価の一体化」の入門書になる。
 本書は3部構成。まず第1部では、学習評価のポイントを詳しく説明している。扱っているのは「学習評価は何のためにあるのか」や「『ヤマ場』とは何か」、「指導に生かす評価」(形成的評価)や「総括に用いる評価」(評定)など六つ。「見取るのが難しい」と感じている教師も少なくない「主体的に学習に取り組む態度」の評価についても触れられている。各セクションの冒頭には、読み手の理解を深めるための漫画も収録されている。
 第2部では、

 (1)「指導と評価の計画(単元計画)」
 (2)「形成的評価(支援とつまずき)」
 (3)「総括的評価(評定に用いる評価)」

 ―の三つの視点で整理された各教科の評価事例を紹介。「ヤマ場をおさえる学習評価」(学びの舞台づくりによる指導と評価の一体化)を実践するためのポイントが示されている。「学習評価のそもそもとこれから」を扱う第3部では、「目標準拠評価の導入」や「学習の改善に生かす評価―形成的評価」「これからの学習評価の課題」などが解説されている。
 巻末には「観点別学習状況の評価におけるA基準のキーワード」、「内容のまとまりごとの評価規準(例)」(国立教育政策研究所)を収録。本書はシリーズもので中学校版もある。
(2750円 図書文化社)
(斉)

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