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N高・S高でVR学習拡大 年度内に半数以上の授業が対応

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角川ドワンゴ学園

 インターネットを活用した広域通信制の「N高校」「S高校」で、VR(仮想現実)技術を活用した学びが拡大する。両校を運営する(学)角川ドワンゴ学園は3日、本年度内に半数以上の授業をVR空間内で履修できるようにすると発表した。コミュニケーション力を身に付ける難しさや友達をつくる機会の少なさなど、オンライン学習の課題を克服できるとする。
 両校を合わせた生徒数は8月時点で2万441人。ドワンゴ(東京・中央区)と子会社のバーチャルキャスト(札幌市)が開発したVR技術を使って学べる「普通科プレミアム」は本年度に開講し、4127人の生徒が在籍する。新入生の約4割が選択している。
 生徒はゴーグルを装着し、VR空間に再現された教室でアバター(分身)を操作して学習する。教室には他の生徒のアバターも表示され、仲間と共に学ぶ実感が得られる。
 各教科の学習では立体的な教材を動かして観察できる他、名所や世界遺産を360度見て回れる。ゴーグルを外せば、授業の途中で動画学習に切り替えることもできる。
 現在は履修可能な6984本の授業のうち、2341本がVR空間で受講できる。本年度内には3980本がVRに対応する予定という。
 さらに来年4月には、VRと映像で学習する「普通科プレミアム」を「普通科」、映像のみで学習する「普通科スタンダード」を「普通科ベーシック」に名称を変更する。
 川上量生・同学園理事は、「勉強を継続するには、同じ空間で仲間の目線を感じられたりコミュニケーションが取れたりすることが大事。動画視聴や生配信を中心とした従来のオンライン学習の欠点はVR学習でカバーできる」と話す。

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