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教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る

14面記事

書評

鬼澤 秀昌・篠原 一生 著
実際に起きた事例を基に考える

 いじめが慢性化している。大人社会はいじめのるつぼともいえる。その意味では社会に出て夢を実現するために挫折を経験して、その耐性をつくることも学校の役割かもしれない。それは訓練の範囲でなければならず、いじめを容認してはならない。
 現在の学生は、多様ないじめの実例を基に考え・学ぶ場を与えられてはいない。その意味でも本書を生徒指導論などのテキストにする意義は極めて大きい。本書の特徴に教員の立場において悩ましいと思われる部分を議論のポイント(論点)として掲載しているために役立ちそうだ。
 帯には、「“実例”に基づき教員と弁護士が徹底討論」と記されている。扱っている内容は、どこにでも起き得ることが重大事案に発展していくプロセスが、省略せずに書かれている。やや重苦しく感じる内容ではあるが、省かれては見えないからこそ、真実が鮮明に浮き上がってくる。また、弁護士と教員が対話する形式であるので当事者感を持って読むことができる。
 結論のみに執着するのではなく、結果に至るまでの過程や、自分だったらどうするかを問われるように構成されている。しょせん、受け売りでは、実際に役立ちはしない。その意味でも、「本書の特徴、使い方、おわりに」から読むと、その鋭い切り口が見えてくる。
(1980円 エイデル研究所)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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