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一刀両断 実践者の視点から【第110回】  

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教員の身なり
 
 《新庄ビッグボス 「太っている人は減量、白髪の人は白髪染め」 身なりに言及》(スポニチアネックス)という見出しのニュースから、プロ野球・日ハムの新庄監督の指導内容は教師にも当てはまると痛感した。なぜなら、私も職員研修でこの事を話してきたからである。この点は今も強く意識している。
 教師は外見からも内面からも「かっこいい」が基本と思っている。大きな手提げ、バラバラな色合いの服、センスの悪いジャージ、さらに言葉遣いや声の大きさなど、実に下品な教員文化が定着している。電車の中でもレストランでも、すぐ分かる。周りがどう見ているかを意識しない「感性の麻痺」が起きている。
 他の職種でも見た目で予測のつく服装は多くある。あえてそうした服で営業をされる職種もある。
 教師はいつも児童生徒に見つめられる仕事である。色彩感覚も教えていることになる。
 学校に勤務していたころ、髪にポマードをつけてくる先輩がいた。その臭いは強烈で通り去った後にも臭いが残った。誰も指摘をしなかった。
 以前、「毛が薄くなっている」と父が外国から買ってきたものをつけていたところ、子どもが近寄らなくなった。「何か気になる?」と話したところ、「先生の髪、変な臭いがする」と話してくれた。教えてくれたのである。それからは、清潔感を常に意識するようになったのである。
 自己管理のできない教員はとても多い。それを指摘するとパワハラとか騒ぐ者もいるが、不健康で外見も不潔感の漂う教師を放置しては、児童生徒の教育環境として見過ごしてはならない。新庄監督の指摘は、教師にもそのまま当てはまる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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