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文章がフツーにうまくなる とっておきのことば術

15面記事

書評

関根 健一 著
元新聞編集委員が手ほどき

 学生時代も、就職後も、多かれ少なかれ文章を書く機会はあるだろう。報告文に解説文、記録文等。その時に、もっとうまく文章が書けたらと思った経験はないだろうか。そんな方に朗報なのが本書だ。
 本書は、ことばの基本的な選び方や使い方のちょっとしたコツをつかむことでいろいろな文章が目的に応じて書けるようになることを目指す。著者は、国語辞典や校閲にも携わり、新聞社の編集委員も務めるなど言葉に関する仕事を歴任。その豊かな経験を生かし、大変分かりやすく「ことば術」を解説。
 本書は、14のテーマがありレッスンを受ける感覚で読み進められる。読んで理解するだけで終わらず、実際に問題を解くコーナーが設けられている。子どもになった気分で挑戦したい。例えば「表記・記号のきまり」のテーマでは、「オー」と発音する言葉は仮名遣いで「オオ」なのか「オウ」と表記するのかなど。問題には、「王様」「通り」の読み方が問われているといった具合。解説も会話形式で動物のキャラクターが登場し、堅苦しさなく学べるのも魅力。
 読者を飽きさせない工夫はまだある。落語で日本語について語られるコーナーも。落語を通して、いつの間にか日本語の妙に気付かされている自分がいる。
 学生、大人だけではなく、子どもたちに指導する際のヒントが詰まっているので、ぜひご活用を。
(1760円 大修館書店)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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