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一刀両断 実践者の視点から【第224回】

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高校教員と教え子の関係

 <元男性教諭と親密な関係、女子生徒が自殺未遂…県が500万支払いで和解成立>(読売オンライン)という見出しの記事が出た。この職員の同僚に責任はないのだろうか。記事からは組織としてコンプライアンスが機能していない現実が分かる。
 特に高校ではこうした関係が起きている。教員の結婚相手が教え子という例は珍しくない。
 精神的に未熟な生徒を前にやりたい放題の教員もいる。鳴り物入りで箱根も走った経験のある教師が、教え子から関係を拒まれて事が露呈し年度途中で遠方の高校へ異動をさせた案件があった。肉体的には成熟する年代だからこそ自己を制御する信念が求められるのが高校である。
 このような事態について、正面から話したり指導したりする場面がなく、被害は見過ごされているのではないだろうか。
 未来ある人生に責任を取るのなら、この元教師は一生償い介護すべきである。お金で和解するような事案ではない。
 恋愛について真正面から学ぶ機会を設けていないのだから、こうした事が起きる。家庭で教える事が可能ならして欲しいが、そうした事をやれる家庭は僅かではないのか。能書きや理想論は通用しまい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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