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中学英語「主体的・対話的で深い学び」×CLIL×ICT×UDL

19面記事

書評

高橋 昌由 編著
授業実践のアイデアが満載

 教えることの基礎・基本を土台に、小学校との接続や生徒たちのつまずきへの対応を重視した本書は、学習指導要領が目指す4技能5領域を統合する授業展開で思考力を高めることを意図したCLIL(内容言語統合型学習)、ICT(情報通信技術)、UDL(学びのためのユニバーサルデザイン)を取り入れた授業を紹介、「主体的・対話的で深い学び」に対応できる英語授業の実践方法を提示している。
 I章の全体的説明に続き、II章で、授業成功の鍵を熟知した実践者が、学習指導要領の本丸ともいえる「話すこと<やり取り>」と協同学習とPBL(プロジェクト型学習)を提示、III章では、小中・中高接続の実践的在り方を考え、IV章では、CLIL、ICT、UDLについて説明しつつ活用できる秘訣を提供、V章で、教科書に準拠した英語授業の展開例を提案し、専門家との対話で授業をまとめ、VI章では、全体を振り返っている。
 本書について編著者は、優れた執筆陣が解き明かしたアイデアが満載で、「いつの世にも色あせない」と自負するが、とりわけ本書の著者の一人の丹松美恵子氏は、協同学習を通して、課題の多い中学校を復活に導き、「協同学習で変容した生徒」を紹介しており注目される。クラスの誰もが主役となる授業実践で、どの生徒も「主体的・対話的で深い学び」を実現しており、「素晴らしい授業は最高の生徒指導」と感嘆させられる。
(1980円 大学教育出版)
(矩)

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