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一刀両断 実践者の視点から【第319回】  

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講演会の活性化
 
 こんな講演会はやめてほしいと思わざるを得なかった。著名人などを呼んでいろいろ話し合いをさせるものがある。日々の実践にまで落とし込んだ話の出来る者は皆無に近い。登壇者はいいとこ取りのバランス感覚に優れ、自己優位な特権意識を持っているような人物であり、一般人では知る由もない事を勿体ぶって、皆に披瀝して驚かせて満面になっている。
 話も半分も聞いていたら飽きてくるし、聴かされていても何の得も考えつかないし、役立つわけでもない。危機を煽ったり嘆いたりはするが、具体的な生活に落とし込んで結果にコミットしようとまではならない。
 そのうち、睡魔に襲われて船を漕ぎ始める頭が目に入ってきた。中には耐えられずに室外へ避難する者も次々に出はじめる。
 肩書きで講演者を呼ぶとほとんどは外れる。やはり、直接会話し、その人物の講話を数回聞いてから依頼をしなければならない。時間を返して欲しいと思う講演会は後を絶たない。
 以前、授業公開研究会の全体会で趣旨説明や成果報告があった際、毎回のように質問をしていた。ある意味、無難に終わらせようとする体質にメスを入れて本当の活性化を図ってきた。研究の成果は児童生徒の姿に現れる。誤魔化しは効かない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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