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動物園と水族館の教育 SDGs・ポストコロナ社会における現在地

14面記事

書評

朝岡 幸彦 編
校園との連携通じ可能性広げる

 コロナ禍によってさまざまな制約を課せられた学校が学校教育とは何かを見直す契機となったのと同様、動物園や水族館も、その在り方を見直す機会に直面した。さらにSDGs(持続可能な開発目標)を実現する社会への期待が高まる中、幾つかのゴールを共有する園、館の役割強化、また、社会教育法を前提に文化観光の一翼も担う博物館法の改正など、動物園、水族館を取り巻く環境の変化が改めて存在意義の問い直しを迫ってもいる。
 本書の基となったのは科研費「SDGsのための子ども動物園・水族館教育(環境教育)のガイドラインに関する研究」。共同研究から得た園、館には「独自の教育的価値と新たな可能性がある」という提起は読後、共有できる。
 視点Ⅰ「学校教育としての動物園・水族館教育」を第1部1章~5章と補論で、ポストコロナ社会での「動物園教育」を視点Ⅱ、同じく「水族館教育」を視点Ⅲとして第2部6章~終章と補論に、それぞれ収め、展開した。
 保育園との共創プログラム(沖縄美ら海水族館)、高校の総合探究の場の提供(日本モンキーセンター)、オンラインなどで普段来園しにくい障害のある子どもらにも学ぶ機会を提供するさまざまな事例、工夫を通して、教育的機能の可能性に触れることができる。
 学校関係者にとっては比較的身近な存在である園や館が今、何を目指し、どう奮闘しているかを知る格好の書となるだろう。
(2090円 学文社)
(矢)

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