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生成AIを一次的なアドバイザーとして活用

9面記事

ICT教育特集

国語の授業でのChatGPTとのやり取り画面

練馬区立石神井台小学校

 練馬区立石神井台小学校(町田浩一校長)は授業や校務でICT活用を積極的に推進してきた。6年生を担任する高橋蔵匡主任教諭は生成AIを活用した授業開発に取り組んでおり、「子どもや保護者の関心も高く、社会的にもこれからの子どもたちはAI活用を避けられないと感じ、適切な活用の足がかりになれたらと考えた」という。数名の教員で生成AIに関する研修を重ね、学校長の理解を得て教員用アカウントを取得して授業への導入が始まった。今回、同校の生成AIの授業例について紹介する。

学級のキャラクターを生み出す

 2学期に行った実践は約6時間の総合「生成AIで○○をつくろう」の活動だ。子どもたちの発想を生かした「学級のイメージキャラクターづくり」などに「ChatGPT」を用いた。
 活用場面は、

 (1)キャラクターにどのような要素を入れたいか意見を集約・分析するとき
 (2)班ごとにキャラクター案をイラストに起こすとき

 の2つだ。
 ポイントになるのは生成AIに何をするかを指示する「プロンプト」の大切さを子どもたちと確認すること。例えば、(1)では、Googleフォームで集めた子どもの意見を分析する際に、高橋教諭はChatGPTに「先生の立場として学級のキャラクターを作る」と指示した上で、子どもの意見を類別し、出現の高い順に振り分けるようにプロンプトを入力した。
 (2)の集約結果をもとにイラストを起こす際も、「にんじん・黄色いマント・手には割りばし・明るい」などと指示を入力すると、すぐにイラストが生成されるが、指示が抽象的すぎると想定外のイラストになってしまう。そこで子どもたちは「指示を工夫しないと、作りたいものは作れない」と気付き、次の時間には、「修正案」の指示を与えてブラッシュアップしていった。

AIはもう一人のクラスメイトに

 生成AIを活用すると子どもたちの活動時間を増やすこともできる。高橋教諭は6年国語「季節の言葉」の単元で、子どもの創作した短歌や俳句をよりよいものにするアドバイザーとしてChatGPTを使っている。スプレッドシートに子どもたちに句を入力してもらい、それをChatGPTに入力してアドバイスを出力できるようにした。「季節の言葉」を取り入れているか、句の長さはどうか、などを分析し子どもたちが分かりやすいように平易な言葉遣いで短く助言するように設定している。
 「これまでは作った句を教員が1人分ずつしか見ることができなかったので、子どもの待ち時間が長かった。この方法だと1時間内にほとんどの子どもがChatGPTからの一次的なアドバイスを得ることができた」と高橋教諭は話す。
 現在、子ども自身がChatGPTのアカウントを取得して使うことは、年齢制限などでできない仕組みになっているため、同校の授業では教員がChatGPTの操作画面を示しながら進めている。その際、出力結果のファクトチェックを事前に行う必要があることや結果をうのみにしないことを注意しながらも、高橋教諭は、「生成AIを使うと自分や子どもたちが思い浮かばなかった観点のコメントが得られ、多様な考え方に触れるきっかけになる。もう一人のクラスメイトがいる感覚で活用の幅を広げていきたい」と語った。

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