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ワンランク上の子ども見取り術 学級の荒れを防ぐキーポイント

14面記事

書評

学級経営サポートBOOKS
成瀬 仁 著
普段の指導の再点検、意味付けに

 学級崩壊という言葉が一般化したのはいつごろだったろうか。当初は、未熟な教員にありがちの力不足と高をくくっていたようだ。しかし、ベテラン教員の学級でも見られるようになって、児童理解、問題行動の捉え方等、根本的な原因究明と対処に目が向けられるようになる。そして今では、予防こそ大切という認識に至っている。
 本書はまさにその点を突いている。学校の一日を始業前・登校時、朝学習・朝の会、授業中、給食の時間、休み時間・放課後等を含めた7章に分け、それぞれの場で遭遇する状況ごとに見取り方を示してくれる。
 例えば、「『おはよう』は教師が先に」では、子どもの出方を見ることで指導のヒントが浮かんでくる。「給食配膳中の教師の『絶好の立ち位置』は?」では、配膳、教室内の子ども、食物アレルギー等に対応する必要性が分かってくる。
 「ワンランク上の」と書いてあるので、かなり高いレベルの指導力が必要になるのかと、ドキドキしながら読み始めたが、著者の言う「攻めの指導」は、普段の何げない指導を再点検し、意味付けるところにあるのだと気付かされた。見開き一題材の配置で、キーポイントが囲みで示されているのも使い勝手が良い。本書を参考に実践していけば、おのずと良い結果が付いてくるように仕組まれている。さあ、実践だ。
(1793円 明治図書出版)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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