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「かかわり言葉」でつなぐ学級づくり

16面記事

書評

青山 由紀 著
前向きな考え育み人間関係築く

 著者によれば「かかわり言葉」とは、「人と人とがかかわり合い、よりよい人間関係を築いていくときに効果を発揮する言葉の総称」になる。
 冒頭の「はじめに」の中の次の一節などは、大人にも通じる人生論になっている。<困難な事態に直面したときに、辛く悲しいと落ち込んだままで過ごすのか、ポジティブに考えて立ち向かっていくのとでは、人生が大きく異なります>
 このポジティブな考え方を育てる具体的な方策が本書で展開する。本書は3章構成になっている。このタイトルを示すだけで学級、学校づくりの極意が読み取れる。
 第1章規律を育てる、第2章子どもと子どもをつなぐ、第3章チームで育てる。
 評者は仰天した。天下の研究名門校の筑波大学附属小学校にも、「チームで育てる」視点が求められるようになったのだ。
 初等教育の基本は、この三つの視点がなければ、もはや教育効果を上げることはできない。教科教育とこのような学級、学校づくりが合体した学校が今、本当に求められている。もちろん、これらを推進していくには、著者が本書で主張されていた「かかわり言葉」が大きな武器になっていく。「かかわり言葉」の質が、教育効果を上げるからである。
(2035円 東洋館出版社)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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