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高校「魅力化プロジェクト」年4000万円の財政効果

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民間シンクタンク分析
島根・隠岐島前高校

 島留学などで知られる島根県立隠岐島前高校(海士町)の魅力化プロジェクトが、年間3千~4千万円程度の財政効果があるとする報告を三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた。海士町など3町村での歳入拡大と消費額の増加が要因だと分析している。
 同社は地方の若者育成の場や、人口流出の防止策として取り組まれる「魅力ある高校づくり」に着目。その効果などに関する分析リポートを11月22日に公開した。
 リポートでは、高校魅力化がもたらす社会・経済効果の分析や高校の統廃合が地域に及ぼす影響などについて扱った。
 隠岐島前高校を事例とした分析では、海士町と周辺の西ノ島町、知夫村で、

 ・総人口が5%超増加(2017<平成29>年)
 ・消費額が3億円程度増加(同年)
 ・歳入が1・5億円程度増加(同年)

 ―という結果が得られた。町村の財政負担を加味しても、年間3千~4千万円程度のプラス効果が見込めるという。
 高校の統廃合が及ぼす地域への影響についても調べた。高校がなくなった市町村では、2000(平成12)年からの15年間で、総人口に占める15~17歳人口の比率が、高校が存続した市町村に比べ0・2~0・5ポイント低かった。差は拡大傾向にあるとしている。

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