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7月以降、中高生の自殺者増 報道が影響している可能性

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 厚生労働相の指定を受けて自殺対策の調査研究を推進する厚生労働大臣指定法人「いのち支える自殺者対策推進センター」は10月21日、7月以降に中高生などの若者の自殺者が増加していることを明らかにし、その実態について、人気俳優の自殺報道が影響している可能性が高いなどとする中間報告をまとめた。

 同センターは警察庁の統計を元に分析を加えた。今年は、人気俳優の自殺報道があった7月18~24日の自殺者数について、10代の男性は12人、女性が8人、20代の男性は46人、女性が22人だった。
 報道があった日の18日から1週間は、昨年と比べて、10代の男性は前年同期比10人増、女性は同6人増。20代の男性は同20人増、女性が7人増だった。

今年8月には、高校生の自殺者が平成27年以降で最多の42人に上った。男子は20人、女子は22人だった。
中学生全体は昨年と比べて、前年比5人増の16人だった。男女それぞれ、同1人増、同6人増だった。
中高生全体での自殺者は58人(対前年比30人増)だった。男性は28人(同5人増)、女性は30人(同25人増)だった。中高生を中心に女性の自殺者数が増加していることを示した。

同センターは、7月後半も自殺の増加が続いているとして、「自殺報道の影響以外の要因も考慮しておく必要がある」とした。
自殺者対策の一つとして相談窓口となる「生きづらびっと」には、児童・生徒から、「休校明けでクラスが変わりなじめなくてつらい」「母親がずっと家にいてイライラしており、自分がストレスのはけ口にされている」「オンライン授業についていけず、高校を辞めたい」、などの相談が日々寄せられていることを紹介した。
「生きづらびっと」は、厚生労働省補助事業として、「NPO法人自殺対策支援センターライフリンク」が運営。LINEを経由して相談に乗るなどしている。

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