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コロナ禍の安心を担保 外来者の出入りが多い場所に紫外線照射装置を設置

14面記事

施設特集

生徒や外来者の出入りが多い事務室の天井に設置(4台)し、カウンター周辺に照射して除菌

 感染力の強いオミクロン株による「第6波」では、多くの学校でクラスターが発生し、学級閉鎖や臨時休校を余儀なくされた。集団生活の場となる学校現場においては、今後も引き続き「3密」の回避や消毒作業を継続していく必要がある。こうした中、東洋大学京北中学高等学校(星野純一郎校長・東京都文京区)では、外来者などの出入りが多い場所に紫外線照射装置を設置し、紫外線が当たったモノの表面や浮遊するウイルスを同時に除菌することで安全担保を図っている。そこで、鈴木勝・事務室主任に導入の決め手や活用状況について話を聞いた。

東洋大学京北中学高等学校外観
東洋大学京北中学高等学校

コロナが長期化する中で、新たな環境衛生対策として導入
 創立者・井上円了(哲学者)の「諸学の基礎は哲学にあり」「独立自活」「知徳兼全」を建学の精神に掲げる同校は、「哲学教育」「国際教育」「キャリア教育」を三本の柱に、日本の伝統・文化をよく理解し、世界の人々とコミュニケーションを取り、協力して課題を解決できる人材の育成を目指している。
 コロナ禍においては教育活動を継続していくため、「手洗いやアルコール消毒、換気の徹底、黙食の徹底、登校時のサーモグラフィーによる検温などにより、感染防止に努めてきました」と鈴木主任。その中で、昨年11月に新たな環境衛生対策として導入したのが、ウシオ電機株式会社が開発した抗ウイルス・除菌用紫外線照射装置「Care222(R) iシリーズ」だ。
 本製品は、特殊な技術で人体に悪影響を及ぼす紫外線をカットし、人がいる環境で紫外線の除菌力を活かすことを可能とした独自の技術「Care
222(R)」を搭載しているのが特長。照明器具のように天井など高いところに設置し、除菌したい場所をねらって目には見えない光(紫外線)を照射するだけで、新型コロナウイルスをはじめとする、さまざまなウイルスや細菌に対して効果を発揮する。また、広島大学との共同研究による新型コロナウイルス不活化・殺菌効果の評価結果により、変異株にも有効であることが示されている。


鈴木 勝・事務室主任

紫外線が当たったモノの表面までも除菌でき、職員の負担軽減にも
 こうした紫外線で殺菌する方法を知ったのは、教育関係者向けの展示会だった。「もともと、何かコロナ対策に効果的な製品はないかと探していたところでした。最初は目に見えない紫外線のため不安がありましたが、資料や説明を通じて安全性と効果を確認できたこと。しかも、医療機関や大学にも導入実績があることから、安心して活用できる装置ではないかと期待を持ちました」
 そこで、学校に持ち帰って校長を含め管理職に相談。導入の決め手になったのは、空気清浄機と違って、紫外線が当たったモノの表面までも除菌できることだった。「もちろん、毎朝机の上などのアルコール消毒は行いますが、除菌する回数を減らせるなど職員の負担軽減にもつながる。感染予防対策が長期化する中で、そこが大きな利点だと感じました」と強調する。
 導入した場所は、事務室4台と休憩室1台、校長室・応接室に2台ずつで、合計9台になる。事務室は学外の方の出入りが一番多いところであり、校長室・応接室は打ち合わせでとびらを締め切ることが多く空気の滞留が心配だったため、まずはそこから導入することになった。職員には事前に資料等で安全性などについて説明したが、特に反対意見はなく、むしろ、より安心感が持てるという前向きな声が多かったという。

自動運転で手間いらず、保健室や面談室・更衣室への導入も視野
 そんな事務室では天井に設置した装置から、カウンターやコピー機、プリンターといった多くの人が触れるモノの表面にピンポイントで照射。同様に、校長室・応接室も2台の装置の照射角度を変えることで、広範囲の照射を実現している。
 運用方法もいたって簡単だ。「照明のように手元スイッチで点けた後は、1日に浴びてもよい紫外線量を守って点灯、消灯を繰り返す自動運転に任せるだけなので手間はかかりません。職員も、最初は目新しさもあって見上げたりしていましたが、作動音が一切しないこともあり、今では気にする素振りもありませんね」とすっかり定着したことを挙げる。
 設置以降、同校でのクラスター発生や管理職の感染は起こっていないことから、導入には満足していると鈴木主任。今後、予算が確保できれば保健室や面談室・更衣室のような校内で感染が気になる場所にも設置していきたいと抱負を語る。
 その上で「コロナの感染拡大によって、学校でもサーキュレーターや空気清浄機の整備が進められていますが、こうした便利な製品があることを知らないところが多いのでは。その意味でも、紫外線による効果を可視化できるようになると、学校施設への導入が広がっていくように思います」と期待した。  

応接机に向けて照射角度を調整(校長室)
応接机に向けて照射角度を調整(校長室)

装置のアップ

1台でより広い範囲に、連続照射を実現
 なお、「Care222(R) iシリーズ」は同校のように、設置場所の有効スペースを削がずに利用可能な天井に設置するタイプ以外に、ポールなどの取付治具を用いて天井工事を行わず簡単に設置できるタイプも揃えているのが魅力だ。
 加えて、教育機関等からの「1台でより広いエリアを除菌したい」「有人下での紫外線照射においても、常時点灯したい」といった要望に応えた「フラッドタイプ i―FT」も登場。広配光タイプの光源モジュールを搭載することで、1台の装置でより広い範囲に、連続照射を実現できるようになった。

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