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一刀両断 実践者の視点から【第259回】

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廃棄物処理と「総合的な学習の時間」

 《私有地に山積の廃棄物、県外から搬入か 困惑の近隣住民「舞ったごみが庭に」 群馬・桐生市》(上毛新聞)という見出しの記事がある。さもありなんと行政の対応が鮮明に感じられた。
 こうした廃棄物処理業者の闇の部分は深い。利益は大きいようである。いらなくなったら金で処理するという体質は全ての産業につながっている。
 リサイクル法で対応できるのはわずかであり、ほとんどが廃棄物処理業者に任されている。
 私の家も老朽化により取り壊して更地にして返すことになった。いくつかの解体業者に見積もりを依頼したところかなりの差が出た。何でそんなに差が出るのか聞いてみると、投棄する土地を持っているいないによるというのだ。
 地下水への影響も考えると老朽化した別荘地はかっこうの投棄場になり得る場なのである。不要となったものをリサイクルしたり、投棄して利益を得ている業者はかなりの数にのぼる。それらが議員や行政と蜜月の関係に長年あると、こうした困り事を解決しようとはならない訳である。
 新しいものへという思考や見えないところへという人間の欲望を処理するこれらの業種にも正当化する理由はあるだろうが、資源をゴミにして人間が満足するというスパイラルに限りがある事を私たちは見て見ぬふりをし続けている。
 この域まで探究し行動化させるのが総合的な学習の時間ではないのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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