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カウンセラー(公認心理師・臨床心理士)という生き方

15面記事

書評

井澗 知美 著
理解深め「チーム学校」強化へ

 スクールカウンセラーが学校に配置されるようになってから約20年が経過した。この間「公認心理師」という国家資格も生まれた。スクールカウンセラーの多くは「臨床心理士」である。
 一方で諸外国ではスクールカウンセラーの役割は職業・履修指導と学習支援で、日本のように心のケア、特にいじめ、不登校対応が仕事の中心となっているのは特殊とのことである。
 そもそも学校現場はカウンセラーという仕事について、どの程度理解しているのだろうか? 多くのカウンセラーは週1日勤務で、その大半は相談業務である。教員との打ち合わせは、管理職や学級担任、養護教諭が中心である。このような状況であるから、やはりカウンセラーについて一定の理解が必要だ。
 本書はカウンセラーに興味がある人向けに書かれているが、中学生が読んでも分かりやすい。カウンセラーには学校以外にも医療や福祉などさまざまな現場がある。また、カウンセラーの資格取得方法、必要な資質や、これからのカウンセラーに求められることなども書かれている。
 現在、学校では「非行防止の生活指導」から「チーム学校による教育支援」への転換が求められている。カウンセラーとの連携を深めるためにも、多くの学校関係者に読んでほしい一冊である。
(990円 イースト・プレス)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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