教職課程でのオンライン活用を報告 教員養成部会
NEWS 教職課程や免許制度の見直しを議論している中央教育審議会の教員養成部会で7日、研究者からの発表があった。e-ラーニングを使った教育実習の事前指導の取り組みなどが紹介された。文科省は、より多くの学生が教職課程を履修できる環境を整備するため、オンラインを活用した教職課程の開発を進める方針だ。
e-ラーニングを取り入れた教職課程について、北海道教育大学の山中謙司准教授が発表した。
同大学では、教育実習に先立ち、学級経営や危機管理などの内容を事前学習教材で学び、コンピューターテスト(CBT)で理解度を確かめるシステムを開発。学内だけでなく、他大学にも提供している。
山中准教授は、受検した学生から教育実習に向けた心構えができたなどの高い評価を受けていると説明。開発したCBTシステムは今後、教職を目指す社会人経験者のリカレント教育などにも活用したい考えを示した。
教職志願者の確保が課題となる中、教員養成部会では、多くの学生が教職課程を履修しやすくなるよう、ICT活用の方法を探っている。これまでの会合では、オンデマンド動画で基礎的知識を自習し、対面授業は実技や演習中心の内容とするといった意見が出ていた。
またこの日の会合では、学部と大学院修士課程を通じた教員養成の全体構想についても東京大学の勝野正章教授から発表があった。それぞれが目指す教師像に応じて専門性を深められるカリキュラムの考え方が示された。