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結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ

12面記事

書評

西 剛志 著
心をつかむ質問・比喩とは

 「質問です とんかつは、洋食ですか? 和食ですか? あなたはどちらだと思いますか?」―。本書の初めに、こんな質問がある。
 いきなり何を聞いてくるの? と思うかもしれないが、読んでいくと、この質問が、「伝えること」とつながっているのだと納得する。実に面白い書だ。
 本書は、脳科学が導き出した「本当に伝わるコツ」を分かりやすく伝授してくれる。
 「何かを相手にやってほしければ、『命令』は逆効果」「何回同じことを伝えても変わらない相手に伝える方法」「相手の本音を引き出す方法」「人のやる気を導き出すためにする、1つのある『質問』」―など、どれも「なるほど!」とふに落ちる。
 伝え方がうまくなるように、「脳の特性を知る」「伝わるための技術を身につける」「チームづくりを学ぶ」「究極の伝え方上手『カリスマ』になる!」の順に、全9章で構成。
 偉人等の比喩をまとめた「相手の心をつかむ比喩リスト」や著者採取の「厳選!使い勝手のいい比喩リスト」をはじめ、今後に役立つ内容が満載。イラストも解説にマッチしていて楽しめる。
 著者は、脳科学者(工学博士)、分子生物学者。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。平成20年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。著書、講演等多数。
(1694円 アスコム)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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