教師1年目からうまくいく!道徳授業の教科書
17面記事
森岡 健太 著
議論活発にし思考広げる手だて
道徳科の授業がスタートし、どの学校でも授業時間が確保されている。だが、議論する道徳のコツが分からず、依然として旧来の指導法から抜け出せない教員も少なくない。
本書は、1年目と2年目の教師が、道徳教育推進教師に相談する形式で書かれている。四つのチャプターに分かれた40のテーマは、多くの教員が悩むであろう課題が挙げられており、前述のような人に大きなヒントを与えるものになるに違いない。
チャプター1「ここを押さえればうまくいく! 道徳授業の基本の『き』」では、指導書の「ねらい」を踏まえた授業の展開のコツや、通知表の評価の書き方のコツなどが書かれている。また、チャプター2「『難しい』『不安』がなくなる! 道徳授業づくりの基本の流れ」では、話し合いを活発にするための中心発問のコツや板書のコツが、チャプター4「子どもも教師もどんどん夢中になる! 道徳授業の話し合い活動」では、子どもの思考を広げる問い返し発問のコツが、具体的な例を挙げて説明されている。
実践例として示された、チャプター5「ポイントがリアルにつかめる! 定番教材の道徳授業実践ガイド」では、授業展開が教師と児童の会話形式で書かれているのでイメージしやすく、まさに本書は、道徳授業の教科書と呼ぶにふさわしいものであろう。
(2145円 学陽書房)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)