一刀両断 実践者の視点から【第709回】
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ロータリークラブの行動力
ロータリークラブをご存知だろうか。教師の間では、その存在は知っていても活動の実態はほとんど知られていない。
友人を通して定例会の講師として呼ばれ、講話をさせていただいた事がきっかけで、区における課題解決への助言を求められ、その熱に賛同し参画する事になった。
講話を終えてしばらくした時に、区の課題である「引きこもりの解決」の相談を担当の方から受けた。
不登校も含めて大人までの引きこもり数の全国的な増加に対して、なかなか解決できない状況にある。
その後、何度かの懇談を重ね、ロータリークラブの会員の、決して諦めない熱心な行動で、区の担当とお会いする場を設けて頂き、「引きこもっている当事者に会えないならば、耳から入るFMラジオを活用してみてはどうか」と提案をさせて頂いた。
幸いにもFM会社の経営者の方も同席され、クラブ員でもあったから話は進んだ。やがて地域に根ざしたFM放送の実現化が動き出したのである。
ロータリークラブのポリシーは、こうした社会課題の積極的な解決に尽力される真摯にして信念のある行動力にある。その事が改めて強く実感でき、感謝している。
こうした思いをつなげて打てるべき手を迅速に粘り強く打っていく事は民間人だからこそ迅速に出来る。善行の昇華とも言える。
皆、出来たらいいねで済ましてしまうところを、他の不幸の連鎖を止める為に諦めずに行動し形にしてしまうロータリークラブ精神の崇高さと実行力に私は改めて敬意を表したい。
そして学校教育も含めて様々な連携への可能性を強く実感できる体験をさせて頂いている事に深く感謝したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)