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本紙電子版PRし100キロのトレラン!Funtrails2018(2)

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 100キロ先のゴールまで登山道を走る「FTR100」(11月17~18日、日本教育新聞社など協賛)。土曜日の午前5時の号砲で走り始めた記者は、取材を通して知り合った公立中学校教頭を追う。登山道に入ると、登りは歩き、平地と下りは走る。
 1時間もすると夜は明け始め、ヘッドランプを消灯しても歩みを進められるようになる。この大会はほとんどが登山道だが、最も標高が高い地点で1300メートルほど。山の中をめぐる舗装された生活道路を横切ったり、走ったりもする。
 教頭を務める鈴木先生に追いついたのは舗装路だった。舗装路は登山道よりも幅が広く、声をかけやすい。後ろ姿から旧知の鈴木先生は、すぐに分かり、声をかけた。
 夜はすっかりと明け、すがすがしい朝。優勝を狙う選手たちはずいぶん先を疾走しているはずだ。こちらは、鈴木先生と話しながらのジョギングのような速さで歩みを進める。
 過去に160キロのトレイルランを完走している鈴木先生。昨年もその大会に挑んだ。教頭1年目。大会のために十分な準備ができず、「最初の方」で関門時刻に間に合わず、打ち切りとなっている。そこで記者が質問。「最初の方って、どのあたりだったのでしょうか」。答える鈴木先生。「50キロくらいでした」。50キロで最初ですか。160キロともなるとスケールが違う。
 トレイルランの楽しさはいくつもあるが、この大会では10キロほどの間隔で設けられているエイドステーションは多くの選手にとって楽しみだろう。近年はマラソンの大会でも飲み物や果物に限らず、ご当地の名物が食べられる場合があるが、このトレイルランの大会では、9カ所すべてで工夫を凝らした食べ物が提供される。郷土料理もある。飲食はもちろん、マッサージを受けられたり、仮眠したりできるところもある。100キロの長旅では、「駅」のような場所だ。
 2人で最初のエイドステーションに到着。まだ、疲れはほとんど感じない。ゆっくりエイドステーションで過ごす記者は気づくと鈴木先生の姿を見失っていた。先行したようだ。同じコースを走るから急げばいつかは追いつけるはずだが、それはずいぶん先のことだった。

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