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和歌山で読書活動ネットワークフォーラム

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都道府県教委

 和歌山県教委は2日、日高川町で「子どもの読書活動ネットワークフォーラム」を開いた。県内の教職員や読書関連団体の構成員を中心に100人弱が集まり、「読書環境とまちづくり」を主題としたパネル討議に耳を傾けるなどした。パネリストを務めた井原万見子さんは、同町内で書店を営むことの苦労と共に、学校や地域団体と連携して読書環境を充実させてきた経緯を語るなどした。
 島根県の隠岐の島で公共施設、民間施設を使うなどして分散型図書館を設けた磯谷奈緒子さんは、「島は隔絶されている。先端(の情報)はつかみにくい。図書館には先端がある」などと話した。
 有田川町で司書を務める杉本和子さんは、絵本の原画を駅に展示するなどして、有田川町を「絵本の町」となるよう積み重ねた実践を報告。熊本県水俣市の「ふるさとセンター愛林館」で館長を務める沢畑亨さんは、「読書環境を整えることは目的でなくて手段だ。人口の8割は町で生まれた人たちだ。(山間部から)情報発信しないと押し切られる」などと話した。
 日高川町で学校司書を務める西川裕子さんが小・中学校合わせて14校を兼務していると話すと会場からは驚きの声が上がり、少しずつ、学校図書館の整備を進めていることなどを話した。絵本作家の長野ヒデ子さんは、「絵本は子どもが読むものではなくて、子どもも読める本だ。難しいことを書いている。たくさんの人に読んでもらいたい」などと訴えた。
 この事業は文科省からの委託を受けて、さまざまな立場の人たちが読書環境の充実に向けてフォーラムを企画し、開催するというもの。企画段階からネットワークが深まることを目指している。

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