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道徳の評価で大切なこと

19面記事

書評

赤堀 博行 著
考え方、学年別の評価例も

 特別の教科道徳(道徳科)の評価のポイントは、(ア)指導と評価の一体化(イ)児童・生徒の学習状況の把握(ウ)道徳性に係る成長の様子の把握(エ)記述式の評価(オ)個人内評価(カ)大くくりなまとまりを踏まえた評価―である。これを理解した評価が必要。だが教師の毎日は多忙で、どうしたものかと思案し、戸惑うこともある。ついつい、評価文例集に頼ってしまう人もいる。教職の在り方を考えれば、(ア)から(カ)への理解と、評価の正攻法が大事ではないか。
 本書は、それに応えようとする。著者(帝京大学大学院教授)は、小学校教諭、指導主事、文科省教科調査官を歴任、この分野に詳しい人。第1章で、公教育と教育評価を論じ、学校評価に目を向ける。そして第2章で、学習指導要領と学習評価に話が進む。学習指導要領における評価の変遷で、時系列で把握できる。そして「これまでの道徳教育の評価の考え方」(第3章)で、6期(昭和33年~平成20年)にわたる“道徳の評価”を的確に押さえることができる。
 「道徳科の評価の基本的な考え方」(第4章)は、本書の中核的部分だ。道徳科評価の基本的な考え方が詳細に述べられる。小学校各学年について一例ずつ評価例が示される。第5章で「道徳科の評価と指導要録、通知表」と、実務・実際の方法が示される。
(2268円 東洋館出版社)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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