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「ものの見方・考え方」とは何か

14面記事

書評

授業力向上の処方箋
北 俊夫 著
学びの質高める発問の視点を説く

 新学習指導要領が提案する「見方・考え方」を、本書は「ものの見方・考え方」と捉え、子どもにとって「学びの質を高めるための、いわば学び方としての術」、教師にとって「いわば教え方の術」と位置付けた。リーフレット『教育の小径』(文溪堂発行)での連載執筆が、本書誕生のきっかけ。「『ものの見方・考え方』をどう捉えるか」「『ものの見方・考え方』の術35」にコラム、資料・各教科等に見る「見方・考え方」の解説などで構成した。
 「いまの発言は違っているところを言ったんだね。今度は、共通しているところにも目を向けるといいですね」「いまの発言は具体的にどういうことですか」…。著者は「教師が『見方・考え方』を働かせるとは、子どもの発言を価値付けることであり、方向付けること」だとい
う。
 その上で、子どもの「見方・考え方」を鍛え、引き出す術として、狙いを確認し、地理的、歴史的な目で捉える―など「対象への目のつけ方」の側面から「見方・考え方」18ポイントを挙げ、観点を設けて比較する、事象を関連付けるなど―情報や事実を「処理・操作の仕方」として「見方・考え方」17ポイントを挙げた。
 こうした視点を生かした発問を自在にできるかどうかが、教師の腕の見せどころである。教師自身、理解を深め、子どもたちの「見方・考え方」を鍛えたい。
(1296円 文溪堂)
(吹)

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