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「主体的・対話的で深い学び」をデザインする「学びの再構成」

20面記事

書評

附属新潟中式
新潟大学教育学部附属新潟中学校研究会 編著
理論に基づいた実践例など紹介

 本書は、新潟大学教育学部附属新潟中学校の教育や研究の取り組みに関して理論的・実践的に検証を行い、その内容を一冊にまとめたものである。巻頭には、同校の教育研究に携わる松下佳代・京都大学教授、後藤顕一・東洋大学教授、石井英真・京都大学大学院准教授の3人が寄稿した論考を掲載。これからの学校教育を考える上での指針になっている。
 第一章では、本書のタイトルにもなっている「学びの再構成」に関して、実践に基づいた理論の枠組みを提示。具体的に、「資質・能力の育成を図る『主体的・対話的で深い学び』と『学びの再構成』の関連」や「『学びの再構成』の2つの過程」などについて詳しく解説している。
 第二章では、理論に基づいた「学びの再構成を促す工夫」の実践例を具体的に紹介。「日本のアニメを留学生に紹介しよう」(英語1年)、「みなとまち新潟の魅力の発見と発信」(総合3年)など、全14実践を収録している。第三章では、新学習指導要領に対応したカリキュラムづくりについて、教科の資質・能力をつなぐ工夫として「プログレスカード」に焦点を当てた活用法などを紹介している。
 今後、知識や技能を身に付けるだけでなく、確かな学びのプロセスを通して論理的思考力を育てることも大切になる。「主体的・対話的で深い学び」は、そのためのもの。これからの学校教育を担う現場の教師たちにとって参考になる一冊。
(1404円 東信堂)
(斉)

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