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教えるから学ぶへ―協同的学びとの出会い―

18面記事

書評

丹松 美代志・丹松 美恵子 著
質の高い授業づくりの入門書

 生徒同士、先生と生徒が対話的なコミュニケーションを取りながら、主体的で深い学びを目指す「協同的学び」の実践書である。
 本書は(1)教えるから学ぶへ―「協同的学び」の授業を創る(2)「協同的学び」の発展をめざすおおさか学びの会の活動(3)生徒指導・キャリア教育の実践(4)「協同的学び」のための教育課程アラカルト(5)人権教育・平和教育の構築に向けて―の5章と補章「社会科教師・英語教師としての礎」からなる。
 著者の美代志氏は大阪・池田市で中学校教員生活を全うした後、大学で教員養成に当たっている。教頭時代に佐藤学氏が提唱する「学びの共同体」に出会い、細河中学校で校長として実践する機会を得て、その後、学びの共同体スーパーバイザーとして後輩を指導。妻の美恵子さんは池田市の中学校英語教師で、がんと闘いながら共に歩んでいる同志である。
 本書の刊行に寄せて、佐藤学氏は「質の高い学びを探求してきた丹松美代志さんの教職生活の集大成というべき珠玉の著書である。どのページにも一途に授業づくりと社会科研究を積み上げてきた丹松さんの控えめながら心のこもった洞察がちりばめられている」と高評。「若い教師たちと教職を志す学生たちのテクストとして執筆されているが、熟練教師にとっても示唆深い内容が多く、私のような教育研究者にも啓発されるところの多い良書」と、全教師に一読を薦める。
(2916円 晃洋書房)
(矩)

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