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全訂 Q&A 児童虐待防止ハンドブック

19面記事

書評

児童虐待問題研究会 編著
防止の構え、発見時の対応など82項目

 児童虐待が、残念ながら増加している。児童(子ども)は、親の従属物ではない。“権利の主体としての児童(子ども)”である。親や家族、近所の住民はもちろんのこと、教育、福祉、児童保護に関わる者の児童(子ども)を支援する力を高める必要性は大である。
 Q&A形式で編集の本書は、5章構成で82項のQ&Aを展開する。「よくある質問」が第1章。25項のQ&Aで、虐待についての関心と防止の姿勢・構えが示される。「虐待されている子ども」が第2章。16項のQ&Aで実態や現実が述べられる。子どもの側から、虐待を論じることに注目して読んだ。それは虐待の防止策につながるから…。
 「虐待する保護者」に、視線を向けるのが第3章だ。6項のQ&Aで、背景、理由、様子等が示される。続く第4章は、「虐待に気づいたら」で28項のQ&A。早期発見、避難場所、アドバイス、幾つもの対応、児童相談所など、関連する項目が並ぶ。ここに示されたことを、現実に即した速やかな対応を要する。第5章は、「児童虐待に関わる法律の改正」(Q&A7項目)。これと巻末65ページに及ぶ「資料編」は、まことに便利だ。用件、事態、問題に応じて、どの章(Q&A)からも読めるように編集されている。学校、教委等の机上に置いて利用したい一冊だ。
(2160円 ぎょうせい)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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